基礎知識

変なメーカーで建てたくない!

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このカテゴリでは「注文住宅を建ててみたいな」と考え始めた方向けに、ざっくりとした基礎知識を紹介しています。注文住宅を建てるということは、自分の住宅を建築する会社を自分で選ぶということ。家族が住む大切な家を、大切に建ててくれるメーカーは、どのように選べばいいのでしょうか。失敗しないメーカー選びについて考えてみました。

絶対の保証はどこにもない

管理人もかなりの数のハウスメーカー、工務店の資料を取り寄せ、モデルハウスや完成見学会、説明会などを回りました。最終的には良い工務店に巡り合って家を建て、今快適な生活を送っていますが、その前に一度決めかけた工務店とモメています。

メーカーを選ぶとき、わたしたちは「ここを選べば絶対だ!」と思える工務店を選びたい、と思っています。でも、「大丈夫だった」かどうかは、家を建て終わってみるまでわからないのです。

工務店選びを失敗した時に思ったことがあります。それは、パートナーとなるメーカーを決める時に大切なことは、工務店を「条件」で考えすぎないこと。メリットを大きく見積もりすぎないことです。

家に求める条件を整理しておく

ハウスメーカー、工務店、建築家、どこに行ったとしても、そこであなたはその会社の「売り」を売り込まれます。「断熱はやっぱり〇〇がいい、△△よりもいい性能」自然素材使用の住宅はリラックス効果が高い」「水回りは人気の▲▲が標準でついてくる」などなどです。それぞれの会社から、その会社の思う「いい家」の条件をつきつけられます。ですが、予算にも限りがありますからすべてを採用するのは無理な話だし、こちらでは●●、こちらでは◎◎と、「最高に良い! これが大切だ!」と言われるものも様々です。

引き渡しの時に「家を建ててよかった!」と思うためには、自分が満足する家がそこに建っている必要があります。なので、自分と家族が大切に思うものや、譲れないものを、きちんと把握しておかないと、いざ設計段階になった時に迷って大変になったり、その会社が得意でない要望を出すことにより、見積もりが高くなってしまうことなどがあります。

会社によって得意、不得意があることを知る

管理人の家は傾斜地(坂の途中)に建っています。傾斜地は眺めがいいなどの利点もありますが、斜めになっている土地にまっすぐ家を建てるので、基礎や外構に余計なお金がかかってしまいます。ある工務店(S工務店)では、外構などの問題をクリアするために200~300万円かかると言われました。もちろん玄関前のアプローチなどの外構工事は別料金です。ですが、今回建ててもらった工務店(I工務店)の見積もりでは、すべて含めて100万円程度でした。

これは先の工務店がぼったくっているわけではなく、S工務店は平地にある工務店で、お客様もその周辺の人が多く傾斜地の工事に慣れていないため、外構工事の見積もりが多くなってしまうとのことでした。S工務店の方が自らそう言っていました。最終的に家を建ててもらったI工務店は坂が多い地域にある工務店だったため、初めの段階で「うちは傾斜地の扱いに慣れています」と言っていました。

このように、同じ工事をしても会社の得意/不得意によって見積もりは大きく変わってきます。最初に土地の条件と自分の希望をきちんとまとめてから打ち合わせをすると、その工務店で建てた時に目的のものが建てられるかどうか、余計なお金がかからないかどうかがある程度見極められます。

工務店をたくさん見ると訳が分からなくなる

これだっ! という工務店と出会うためには、なるべくたくさんの工務店を見たほうが良いです。自分の中の基準も洗練されていくし、比較をすることで目も養われていきます。ですが、この段階で疲れてくることも事実です。
色々見ていくと「こっちの工務店は●●だけど、あっちの工務店は▲▲で……。どっちをとるか……」のような状態に必ずなります。自分がいいと思う工法や内装は他の人もいいと思うので、きちんと自分の理想を見極めて工務店を絞り込んでいくほどに、メリットは被るのに、デメリットはそれぞれという状態になりやすいからです。(全般的なデザインはこっちが好きだけど、予算的にはあっちが合いそう、など)

ここで疲れてしまうと、考えるのが面倒くさくなってしまい、新たな選択肢が現れた時に飛びついてしまいがちです。そうでなくてもデメリットを小さく見積もって選択してしまい、あとで後悔することもありそうです。

こういう場合は単純にそれぞれを図にしておくといいと思います。気持ちが決まらない段階ではA工務店のメリットとデメリット、B工務店のメリットとデメリットをそれぞれ書き出してみます。そして疲れるだけなので悩むのはいったんお休みにします。ほかの工務店を見に行ったり見学会を楽しんだりして、その問題に振り回されるのをやめてみます。時間がたつと、新たな視点が生まれてきます。

目先の条件に飛びつかない

工務店選びにつかれてきた時、「今ご契約で10万円オフ!」とか「●月中のご契約で内装に●●がついてくる」などのキャンペーンがやけに魅力的に見えたり、「決めきれないからほかの工務店を見てみよう」と行ってみた工務店の見積もりが安かったりすると、それに運命を感じて飛びつきたくなる時があります。

実は、我が家がそれで失敗しました。色々な工務店を見てきて自分たちの希望は明確になっていたものの、限りある予算の中でなにをあきらめるか、なにをとるかで迷って疲れていました。そんな時、予算内での施工を提示してくれた親方気質っぽい社長のやっている工務店に出会い、そこに飛びついてしまいました。

もちろんネットでその工務店にについて調べたし、複数回話を聞きに行って決めたのですが、結果は大失敗。こちらが確認して大丈夫だと言っていたことを「確認していない、知らない」と言いだし、一方的に契約破棄を申し出てきました。わたしもその工務店で建てるのは嫌になっていたので、結果的には良かったのですが、本当にこんな失敗したくなかった。かなり消耗しました。

家を建てるためには何千万という金額がかかりますし、家づくりは大変です。信頼しあい、楽しく打ち合わせをできる工務店を選ぶのが一番。いくら条件がよくても、予算が合わなかったり、趣味が合わなかったり、感覚が合わない工務店はやめておいたほうが無難です。

自分の感覚を無視しない

さきほどの失敗した工務店、実は最初からちょっとした違和感がありました。「間取りの希望は聞くけど、基本的にはこちらに任せてほしい。プロだから」「相見積もりはやめてほしい、うちに決めてくれないと契約はしない方針」などの発言に「ん?」と思いつつ、流してしまいました。間取りに関しては、確かに私たちは素人だから、プロの意見を取り入れて進めたいと思っていたので流してしまったし、そもそも我が家は相見積もりをとるのではなく、パートナーとなる工務店を決めてお世話になりたいと思っていたので、問題じゃないなと思いました。

でも、今考えると、発言がなんかとっても上からですよね。合うかどうか確かめるために何度か会社を訪れましたが、3回目くらいには話もあまりなく、「会社兼モデルルームも見たし、あとはこっちが決めるかどうか」みたいな態度でした。

見積もりに関しても、同じことを言うにしても例えば「パートナーとして信頼してほしいので、契約してから見積もりを出すようにしています」のような言い方で、加えて信頼をとるべく何度でも施工例を見せてくれたり、疑問点解消のためにいろいろな話をしてくれたりなどの誠実な態度があれば、「ん?」とは思わなかったはずなんです。

だから、言っていることに納得できるかどうかを頭で考えるよりも、自分が感じた違和感を大切にするべきだったとほんとうに反省しています。

ほんとうに、なんで今思うとなぜGOを出してしまったのかわかりません。恥ずかしいです。体験談として誰かの役に立てるように経験した……、とか、いい勉強だったと思うしかありません。

まとめ

工務店選びは、

  • 絶対の保証はないからこそ、慎重に
  • 自分(家族)の理想をきちんと把握、共有しておく
  • 会社の得意不得意を見極めて判断する
  • 工務店選びは楽しいが、疲れることもあることを覚えておく
  • 目先の条件に飛びつかないで冷静に決める
  • 自分の感覚を大切にする

ことを意識するのが大切だと思います。

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