このカテゴリでは「注文住宅を建ててみたいな」と考え始めた方向けに、ざっくりとした基礎知識を紹介しています。このページでは、「注文住宅を建てようかな?」と思って調べ始めた時によく出てくる基本的な単語、用語についてまとめました。
インターネットで検索している時などによく出てくる言葉なので、ざっくり理解しておくと良いと思います。
坪
畳2畳分のスペース。約 3.3 ㎡。ハウスメーカー・工務店のざっくりした見積もり計算は「坪単価」で表示されることが多い。自分が建てたい家の間取りが、何坪に相当するのか把握することからすべてが始まる。
延床面積
居住部分の全ての床面積。吹き抜けは含む場合と含まない場合がある(地域、工務店によって異なる)。土地の大きさによって建てられる延床の面積が決まり、延床=総坪数でハウスメーカー・工務店のだいたいの見積もりが出される。
ハウスメーカー
工務店との差は混とんとしているが、一般的には「標準装備」などの間取りや設備が決められており、その中から気に入ったものをチョイスするような形で建てていくため、時間や手間がかからないことが多い。その分自由度が低かったり、標準から外れたことをしようとするとお金がかかってきたりする。ただ、ハウスメーカーを名乗っていても一から設計していくところもある。建築自体は下請けや抱えている工務店が行う場合が多い。工務店に比べて大手が多いため、建築費に宣伝費などが乗っているんだよ…などと囁かれることがある。
工務店
たいていの場合標準の設定はあるものの、基本的には一から家を設計していくことが多い。ちなみに●●工務店という名前のハウスメーカーもある。混とんとしている。小さな会社が多いため、経営力に不安を感じることも。また、人気のある工務店は着工まで半年~一年待ちなどと言われることもある。ハウスメーカーよりも標準装備にとらわれなくてもいいものの、それぞれ得意としているテイストや設備は異なっているので、自分の考えと工務店の考え、売りがマッチしていることが大切。ハウスメーカーで建てるのに比べて、時間も手間もかかるが、自由度は高く、見積もりは少し低めのことが多い。
設計事務所
建築士が家の設計、建築する住宅の監査などを行ってくれる。実際に建築をする工務店は、何社かの見積もりを比べて選ぶことになる。一番自由度が高く、安心感もあるが、一番お金がかかる選択肢。ただし、ローコストを謳った設計事務所もある。設計士によって得意なテイストがかなり異なるので、今までに建てた作品をきちんと見て、自分の理想とする家のテイストと同じかどうかよく吟味することが大切。
注文住宅を建てる選択肢は大きく分けてこのハウスメーカー、工務店、設計事務所の3つ。
モデルハウス
注文住宅を考え始めた時に陥る最初の罠。ただ、モデルハウスめぐりはとても楽しいし、勉強になることも多い。
ハウスメーカーや工務店がどんなかんじの家を建ててくれるのか、そのモデルケースを見ることができる施設。ただし、モデルハウスは「標準装備」を超えた「オプション」が満載で作られていることが多い。坪単価の目安は標準装備で家を建てた場合の単価のため、モデルハウスと同じ設備で見積もりを出すと驚愕の値段になってしまうことがあるので注意が必要。
モデルハウスをめぐると連絡先を書かされるので、DMなどがたくさん飛んできたりなどの罠もある。
また、見学時には気づきにくいが、かなり大きめ(豪邸仕様)の間取りで建てられていることも多く、モデルハウスのイメージで設計を始めるとあれ? イメージと違う? となりがち。逆にモデルハウスの中には標準装備、30坪で建ててあるところもある。なんだかそれだけで誠実な会社に見えてくるが、どんな場合でもあくまで冷静に判断を。
見学会
ハウスメーカーや工務店が実際に建築したお宅を見ることができる。施主の方に許可をもらい、入居前の完成したお宅を見せてもらう。場合によっては入居後、何年かたったお宅をご厚意で見せていただけることも。間取りや見積もり、外装や内装など細かい話を聞きながら見学することができるので、「ここに頼むとこんなかんじの家がいくらで建つ」という具体的な指針となり、かつ、テイストや仕事の丁寧さなどいろいろなことが見えてくる。
ハウスメーカーや工務店を決める前に、とにかく見学会にはたくさん行ったほうが良いと思う。
諸費用
家を建てる時には、土地代、建物の建築費以外に用意しなくてはならないお金がある。土地を購入する時に不動産会社に支払う仲介手数料、土地の手付金、工務店の契約時に支払う着手金などは、その都度必要となる。だいたい総予算の10パーセントほどを考えておく必要がある。総予算3000万円の場合、300万ほどが諸費用として手元に必要。
合い見積もり(あいみつ)
ハウスメーカー、工務店は最初のプランは無料で出してくれることが多い。建築する土地が決まっている場合に、気になっている何社かにプランを提案してもらい、その中から予算、希望、提案力などを比べて判断すること。
概算見積もり
本契約前の大まかな見積もりをのこと。詳細な打ち合わせ前に、希望の間取り、設備などを打ち合わせしておおまかな見積もりを出してもらい、建てられそうかどうか判断するための見積もり。
一級建築士
建築士として数年のキャリアを積んだのち、一級建築士の試験に合格した建築士。建てられる建築物に制限がなく、どんなものでも設計することができる。
二級建築士
二級建築士の試験に合格した建築士。キャリアがなくても受験することができる。一般住宅を建てる場合、二級建築士の資格でも十分に建てることができるので、一級、二級にこだわるよりも今までの経験がどのくらいあるのかを重視するほうが大切。
断熱
外気温から家の中の温度を守るための機能。外壁の中に入っている断熱材や断熱方法のこと。断熱材に使われるものは様々あり、効果が異なってくる。冷暖房費などにも直結してくるため、せっかく注文住宅を建てるのならばこだわっていきたい。内部結露を防ぐ断熱材や難燃性の断熱材、断熱性能が高いものなど、様々なものがある。基本的にはどの断熱材を選ぼうと今の住宅は十分な断熱効果があると考えてよいが、やはり差はある模様。
外構
門扉や庭、駐車場など、建物の周辺にある設備や意匠。外構は建築費とは別にかかってくることが多いので、見積もり段階で外構を含んで総予算を出すか、それができない場合には別途外構の予算を取っておくことが必要。家の周りを囲む犬走や玄関までのアプローチ、駐車場に敷くコンクリ、ポスト、当たり前に家に付属してくるように思ってしまうが、全て外構に含まれるため、建築見積には入ってこない。
住宅ローン
住宅を建てる目的で借りるローン。かなり金利が安い。大きく分けて固定金利(金利がずっと変わらない)ローンと、変動金利(市場の金利によって金利が変動する)ローンがある。正解は未来にならないとわからない。自分で決めるしかない。
建築条件付き土地
ハウスメーカーが土地を抱えていて、その土地を買った場合にはそのハウスメーカーで土地を建てるという約束のもとに購入する土地。場合によっては土地の値段に100万円程度を足すことで建築条件を外せることがある。
建売 売り建て
建売住宅は建築済みの住宅。売り建ては上記の建築条件付きのように、その土地を購入して、プランの中からある程度自由に間取りなどを選択して建てられるという販売方法。売り建てはこれから建てるので入居までに時間がかかるが、間取りや設備をある程度自分で選ぶことのできるメリットがある。
都市ガス/プロパンガス/オール電化
注文住宅を建てる場合には家の熱源としてこの三つの中から好きなものを選ぶことができる。ただし、都市ガスは都市ガスが通っている土地でないとならないため、土地購入時にチェックが必要。オール電化は太陽光発電と併用することで光熱費を安くするメリットがあると言われているが、初期費用が高額。ペイできるかどうかはよく考える必要がある。
サービスルーム/納戸
居住スペースに数えない個室。窓がない。現在は書斎などにする場合も多い。
採光
家の中に取り入れる自然光のこと。設計段階で採光を計算して建てる。南側に建物が迫っている場合などは、天窓や北側、上部に窓を取り、家の中が明るくなるように工夫されている場合も。
仕様
ハウスメーカーや工務店が、完成後をイメージしやすいように設定している標準的なテイストや設備のこと。それぞれ標準仕様を設定することで個性を打ち出したり、ターゲットに沿ったお客様に選んでもらえるように仕様を作っている。
仲介手数料
土地取得時などに、土地を紹介してくれた不動産会社に支払うお金。最初に出ていくまとまったお金でもある。
つなぎ融資
住宅ローンは基本的に引き渡し時に一括で貸し出される。が、土地代金などでまとまったお金が必要となる場合に先にその分のみ融資を受けることができる。融資されたお金は引き渡し時まで月々の利子分を支払い、住宅ローンが降りた段階で一括返済することになる。
住宅ローン控除
国が行っている控除。住宅ローンを組んで住宅を取得した場合、取得から10年間は定められた範囲でその年に払った所得税、住民税が返ってくる控除。かなり助かる