基礎知識

知っておきたい 注文住宅の規制とは?

更新日:

このカテゴリでは「注文住宅を建ててみたいな」と考え始めた方向けに、ざっくりとした基礎知識を紹介しています。このページでは知っておいたほうが良い用語、規制について、どんなものがあるのかを簡単にまとめました。

注文住宅を建てる時に気にするべき用途地域

すでに土地を持っている場合には別ですが、一般的には注文住宅を建てる場合、土地探しも行っていくことが多いと思います。ですが、土地にはそれぞれ【用途地域】が決められています。これは、工業地域などと住宅地が混在しないようにとられている措置で、12種類に分類されています。今回は土地探しの時に候補となりやすい地域に限ってご紹介します。

第一種低層住居専用地域

最も規制が厳しい、低層住宅の良好な住環境を守るための地域。だいたい2階建ての戸建てが多い。アパートやマンションなどもあるが、3階以上のような大きなアパートは建てられない。基本的に住宅しか建てられない(住宅付きの店舗や事務所は建てられる)ので、いわゆる「閑静な住宅街」な地域。もちろん、住宅地として人気ナンバーワン!

第二種低層住居専用地域

第一種低層住居専用地域と同じく、規制が厳しい。第一種との大きな違いは店舗だけの建物が建てられるかどうか。第一種の地域には住居併設ではない商店や事務所が建てられないが、第二種ではコンビニのような低層の小さな商店が建てられる、という違いらしい。高さ制限等に関しては第一種とほぼ一緒。

第一種中高層住居専用地域

低層住宅地よりは様々な規制が緩和され、病院や大学なども建てられるようになる。中高層地のため、少し大きめのマンションが建ったり、飲食店、商店なども多くなってくる。しかし住宅専用地なので、規制は厳しく、オフィスビルなどは建たない。比較的大きな道路沿いの、飲食店などと一緒に立ち並ぶ住宅地のイメージ。

第二種中高層住居専用地域

第一種中高層住居専用地域とほぼ一緒だが、持てる駐車場が広くなったり第一種中高層よりも大きな店舗を建てることができる。駐車場を持つ中規模のスーパーなどが建ってくる。利便性の高いスーパーや飲食店、マンションの中に住宅地が混在しているイメージ。

風致地区

数はそれほど多くないが、たまに目にする。風致地区は都市計画法において、都市内外の自然美を維持保存するために創設された制度で、ここに該当する土地に家を建てる場合には自然、景観を守るために建ぺい率が低く設定されていたり、土地の中に植栽が求められたりする。第一種低層住宅地よりも規制が厳しい。が、おのずと隣家との距離なども遠くなり景観などはよくなる。自然の中で暮らしたい人にとっては魅力的な地域だが、不便なことも多い地区。緑の中に家がゆったりと家が建っているイメージ。

用途地域のチェックポイント
住宅街としての規制が厳しいほど日当たりや静かさなどの住宅地としてのメリットは高くなりますが、その分利便性は低くなります。例えば第一種低層住宅地に土地を買った場合、あなたの隣地にコンビニは建ちません。それをメリットと考える人も、デメリットと考える人もいるでしょう。

注文住宅を建てる時に気にするべき土地への規制

土地にかかる規制について見てみます。住宅を建てる場合、用途地域に応じて「土地の何パーセントまでの建物を建てられるか」が決まっています。また、道路や隣地に対しては「斜線制限」がかかります。この規制によって、理想通りの家が建たない場合があるのです。

建ぺい率

土地面積に対して、建物面積の大きさの割合。仮に100㎡の土地で建ぺい率が50%の場合、建物の面積が50㎡以下でなくてはならない。これは、1階と2階の面積の大きいほうで考える。要するに、土地の面積に対してどのくらい建物の面積がとれるかという値になる。50%の場合では、1/2までは建物が建てられるということ。

容積率

土地の面積に対して延床面積(1階+2階の床の面積。もちろんあれば3階や地下も。)100㎡の土地に対して容積率100%の場合、延床面積は100㎡までということになる。

ちなみに、低層住宅地では建ぺい率50%、容積率100%という場合が多い。理想の間取りの延べ床面積と建物の建ぺい率は把握してから土地を探すことが重要。

チェックポイント
土地は100㎡前後で売られていることが多いです。低層住宅地では上記の通り建ぺい率50%、容積率100%が多いので、延床面積はだいたい100㎡。100㎡はだいたい30坪。30坪で3LDK~4LDKの間取りがとれます。一般的な戸建て(建売など)もだいたい延床30坪の間取りが多いです。この制限と下記の斜線制限のため、土地の大きさにもよりますが、低層住宅地では3階建ての戸建てを建てるのは難しいことが多いです。

斜線制限

斜線制限とは建築物の高さにかかる制限。道路側や隣家、北側への採光や通風を確保するためにかけられる規制。道路斜線制限、隣地斜線制限、北側斜線制限の3つがある。

斜線制限のチェックポイント
斜線制限については設計士さんが設計段階でこの制限にかからないように調整をしてくれるので、細かい数値をこちらで把握する必要はありませんが、こういった制限があることを覚えておくと良いです。我が家はもともと三角屋根で設計していたのですが、道路斜線に引っかかったため、道路側の屋根を削ってひっこめました。また、たとえば南側に庭を大きくとりたいと思っても、北側の隣家や道路への斜線制限のために北側ぎりぎりに家を建てることはできないということになります。

まとめ

普段なにげなく過ごしていますが、実は土地によってこれだけの違いがあります。用途地域によって家の周りの景観や利便性が変わり、建ぺい率などの土地にかかる規制によって建物の大きさが変わってきます。

静かな住環境を求める人はやはり低層住宅地が理想だと思いますが、店舗や事務所を兼用して3階建てを建てたいなどの希望がある場合は、容積率の大きくなる中層住宅地でないと希望の間取りを叶えることができません。

同じ大きさの土地でも建ぺい率、容積率によって建てられる住宅の大きさが異なってきます。
土地探しをする場合には駅からの距離や土地の大きさだけでなく、用途地域や建ぺい率、容積率を見ながらリストアップしていく必要があるのです。

人気! おすすめ記事!

1

注文住宅を建てること……、それは長い長い旅路の始まりです。少しでも安心してその旅路を進んでもらうために、2014年に注文住宅を建てた管理人が、勉強したこと、失敗したこと、考えたことなどとともに、注文住 ...

2

このカテゴリでは「注文住宅を建ててみたいな」と考え始めた方向けに、まず初めに覚えておきたいこと、気を付けたいことを紹介しています。今回は家相や風水的な間取りについて書いてみました。 ズバリ家相って気に ...

3

このカテゴリでは「注文住宅を建ててみたいな」と考え始めた方向けに、まず初めに覚えておきたいこと、気を付けたいことを紹介しています。北側の住居でも「窓を大きくとったり天窓をつけたりして、明るくしているの ...

4

このカテゴリでは「注文住宅を建ててみたいな」と考え始めた方向けに、まず初めに覚えておきたいこと、気を付けたいことを紹介しています。モデルハウスを見に行ったり見学会に行ったりすると、すぐに色々な意見が耳 ...

-基礎知識

Copyright© ゆめのおうちガイド 注文住宅の基礎知識 , 2024 All Rights Reserved.