このカテゴリでは「注文住宅を建ててみたいな」と考え始めた方向けに、まず初めに覚えておきたいこと、気を付けたいことを紹介しています。注文住宅には大きく分けて「1から作っていく注文住宅」と「カタログから選んで作っていく注文住宅」の2つに分かれます。どのように家づくりを進めたいかによって最適なチョイスは変わってくると思います。
同じ注文住宅でも、実は自由度に差がある
「注文住宅」と一口に言っても、その自由度には会社によってかなり変わってきます。間取りから家に使う素材まで1から決めていく会社や、基本となる建材や間取りをカタログから選ぶようにして作っていく会社まで、かなりの差があるのです。
仕様についても同様に、設計士に依頼して作る場合にはいわゆる標準仕様がないことが多いです。その他、施主の基準とするために基本仕様を作っている会社、コストダウンのために標準仕様を決めてあり、それから外れたことをするとお金がかかってしまう会社などがあります。
ここではおおざっぱに「カタログから選ぶ注文住宅」と「1から作る注文住宅」を比較してみます。かなり乱暴にまとめているので、この通りにすべての会社を比較できるわけではないですが、入口の知識として入れておくといいと思います。
カタログは楽 完全注文は大変
「カタログ」の良いところは楽なところです。基本となる間取りが設定されているため、間取りの決定までを早く進めることができます。時間がなかなか取れない人や、完成を急いでいる人にぴったりだと思います。基本仕様として外壁や壁紙なども予め候補が選ばれているため、さくさく進めることができます。ですが、内装材などはそれでも決めることが多いため、仕様をきちんと押さえておけば、自分テイストな家を建てることも可能でしょう。間取り についても、少々の変更は聞いてくれるはずです。
「完全注文」はすべてを自分で決めていくため、労力も時間もかかります。間取りの決定までには5回から10回……、場合によってはそれ以上の案を積み重ねて決定していくので、かなりの時間がかかります。仕様についても自分ですべて自由に設定できるので、膨大な量のアイテムから自分好みで、予算に収まるものを探していくことになります。ですが、「注文住宅を建てる」ということの醍醐味を存分に味わい、楽しみ、そしてオンリーワンでかゆいところに手が届く家を建てることができます。
自由度 カタログは低く完全注文は高い
「カタログ」は、予め決められた間取り、仕様の中からチョイスを重ねて家を作っていくため、自由度はありません。楽な分、細かい要望は掬い取れないことが多いでしょう。
「完全注文」は限りなく自由です。あなたの壁となるものは、お金、そして時間だけでしょう。
カタログは早い 完全注文はじっくり
「カタログ」は完成までの時間がかかりません。打ち合わせも早く済み、基本的な建材は会社がすでに確保してあるので工事期間も短縮できます。時間がない人にとってはとても魅力的です。
「完全注文」は打ち合わせに時間がかかります。間取りの打ち合わせに始まり、外装材屋根材内装材床材設備その他諸々……、と目が回るくらいに決めるものがあります。いつまでもだらだら打ち合わせをするわけにもいかないですし、予算にも限りがあるわけですし、その兼ね合いを見つつ、週末だけではなく平日も家族で話し合って決めていく必要があります。大変ですが、じっくりと家を建てたい人にとっては至福の時間です。
カタログは安価 完全注文は高価格
「カタログ」は一般的に言って安価です。間取りが決められているため、建材を大量生産できますし、打ち合わせ等にかかる人件費も抑えることができます。自由度を犠牲にした分、早く、安く、楽に、しかも自分の要望を取り入れた家を建てることができます。
完全注文は大量生産もできないですし、打ち合わせなどにも時間がかかるため、どうしても高価になってしまうことが多いでしょう。
まとめ
「カタログ」は『自由』を犠牲にした分、価格、時間、労力をカットした選択です。
「完全注文」は『自由』がある分、価格、時間、労力がかかりますが、その分だけ細かい要望まで反映された家が建ちます。
ここでは極端にふりきれた比較をしましたが、実際には「間取りはカタログから選ぶが、内装材などはかなり自由度がある」とか「標準仕様があって分かりやすいが、要望によって変更可能」という会社が多いです。仕様を変更したときに追加料金がかかる会社、かからない会社など、ほんとうに様々な会社があります。『自由度』によって価格に差が出ることが分かっていると、参考価格を見た時にそれが妥当な値段かどうかの、ひとつの基準になるかもしれません。
