注文住宅を建てること……、それは長い長い旅路の始まりです。少しでも安心してその旅路を進んでもらうために、2014年に注文住宅を建てた管理人が、勉強したこと、失敗したこと、考えたことなどとともに、注文住宅を建てるまでの理想的な流れをまとめました。ざっと目を通して、なんとなく流れをイメージしてください。
STEP1 理想の家について考える
注文住宅を考え始めた時、たくさんの人がまず、住宅展示場などに行ってモデルハウスの見学を始めると思います。ですが、ちょっと待ってください。モデルハウスに行くと必ず住所と名前を書かされ、当日からもう営業をかけられます。場合によっては流れで、たまたま見に行った会社で建てることが決まってしまった……、なんてこともあるようです。
せっかくの注文住宅ですから、主導権は絶対に住宅メーカーに手渡さず、こだわりぬいた自分サイズの家を建ててほしいです。そのためにはまず初めに自分たちの希望を把握することが大切です。
家族の希望をノートに書き出す
どんなところに住みたいかなどの家の周辺環境から、間取り、住宅のテイスト、家事動線の希望など、ありとあらゆる希望を羅列して書き出します。
本屋や図書館などでインテリアや収納の本を探して読むのもアイデアが広がるのでオススメです。
モデルハウスへ行く前に住宅のハウツー本を読んでみる
住宅系のノウハウがつまった本を読んでみましょう。「間取りの教科書」のようなタイトルや「成功例・失敗例」などのタイトルがオススメです。希望するテイストのインテリア関連の本も助けになります。
こうして少し勉強するだけで、最初に書いた希望が大きくバージョンアップしていきます。
「〇〇で家を建てる」などの住宅情報誌を買ってみる
モデルハウス巡りをする前にこうした情報誌を見て、自分に合いそうなメーカーにあたりをつけてみましょう。巻末から資料請求ができるので、気になるメーカーには資料請求をしてみます。資料請求をすると個人情報が会社に渡ってしまいますが、戸別訪問などの過度の営業は媒体で禁止されているはずなので、迷惑な場合は雑誌の発売元に連絡をしてみてください。
SUUMOなどの大手建築情報サイトなどから資料請求をすることも可能です。
STEP2 総予算を決める
住宅ローンシミュレーションサイトなどを使って、預貯金と合わせていらが総予算となるのかを算出してください。
予算算出方法のオススメは以下のページに詳しく載せてあります。
STEP3 モデルハウス、会社巡りを始めよう
自分の理想がしっかりと描けたら、気になる会社を色々と巡ってみます。休日を一日使って大きめの展示場を回ってみるのもオススメです。
メーカー巡りで気を付けること
モデルハウスや会社の見学に行くと、必ず「住宅をお考えですか?」とか「ご予算は?」などの質問がありますが、「もう少ししたら考えたいと思ってるので勉強にきました」のようにあいまいなかんじで答えてください。具体的な金額や時期については言わないように気を付けてください。少しでも話に具体性があると、回った全ての会社から、気合の入った営業をかけられてしまい、大変面倒くさいです。
その後話が本格化したとしても、住宅メーカーはスルーされることに慣れているので別になんとも思いません。候補に入ったメーカーだけに、予算や時期、テイストなどの相談を徐々にしていってください。
たくさんの会社を回ることが大切
もし、既に気持ちが傾いている工務店があったとしても、色々なモデルハウスを回ったり、見学会に行ったり、会社の話を聞くことはとても勉強になります。建ててる家のテイストが似ている会社でも、営業のかけかたや大切にしているポイント、会社の雰囲気はすべて違います。色々回ることで見えてくることがあるのです。
また、見学会などで最新の工法やオススメの工法などについて、どんどんと知識が増えていきます。会社を回る際には自分の予算と合うところばかりではなく、少し低めの会社と少し高めの会社も見るようにします。なぜ高いのか安いのかを考えて比較をすることで、コストに対する感覚がつかめてきます。
参考変なメーカーで建てたくない!
参考どれを選ぶ? 建築事務所、ハウスメーカー、工務店の違い
STEP4 土地を探す前に建築会社を決める
様々な建築会社を回ると、おおよその建物予算が見えてくると思います。
ざっくり言うと(総予算)-(建物予算+α)=(土地予算)という予算立てになるので、まずはおおよその建物予算を見積もることが大切です。
信頼できるパートナーを決めてしまうのがオススメ
住宅メーカー、工務店、建築事務所を様々回ると、候補にしたいメーカーがいくつか絞れてくると思います。理想は、その中からほんとうに信頼できるメーカーを選び、土地探しから一緒にそのメーカーと行っていくことです。
メーカーと不動産屋は仲が悪いことが多いですが、だいたいどこのメーカーもつきあいのある不動産屋さんがいます。
メーカーを決めてしまえば、その不動産屋さんと土地を探すこともできますし、自分で探してきた土地の良し悪しをプロの目から見てもらうこともできます。
それまでになんとなくでも間取り等の希望を伝えていれば、どのような家が建てられるのかメーカーと一緒におおまかな図を描きながら進めていくことができます。
絞れない場合は予算をしっかり見積もっておく
土地を探し始める前にどうしてもメーカーを決めきれない場合にも、だいたいの建物予算はきちっと出しておいてください。何度も見学会に行くと、「このメーカーでこの仕様でこの坪数の家を建てるといくら」という目安が見えてくると思います。自分の理想の譲れない部分を把握し、「この予算ならば、希望の家が建てられそうだ」という金額を建物予算とし、総予算から引きます。残金が土地予算となるので、オーバーしないように土地を探していきます。
STEP5 土地を探す
ネットで希望の地域を検索して見学希望の連絡をすると不動産屋さんから連絡が来て、土地を見に連れて行ってもらえます。だいたい、近い地域の同じような条件の土地をいくつかまとめてピックアップしてくれますので、土地を見に行く日は一日つぶれてしまうことが多いです。
インターネットに乗っているような土地はどの不動産屋さんでも持っている情報のため、最初に連れて行ってもらった不動産屋にこだわる必要はありません。小さくても地域密着型の不動産屋さんがいち早く未公開の土地の情報を持っていることもありますので、狙っている地域が絞れている場合には色々な不動産屋さんに行ってみるのが良いようです。
土地探しは大変です。頑張ってください。
STEP6 住宅ローンの申請
住宅ローンの申請はSTEP6になっていますが、実際には気に入った土地をみつけて手つけ金の支払ってから、売買契約までは間がありません。メーカーや土地探しの合間に仮審査を通しておくのもよいと思います。
カードを毎月きちっと払っている人は、個人信用情報に瑕がありません。無理なローンでない場合には問題なく申請が通るはずです。心配な人は予め個人信用情報の開示を申請してみるのが良いかもしれません。
基本的に住宅ローンの審査については、不動産屋さんか住宅メーカーが面倒をみてくれることが多いです。もちろん、直接銀行に出向いて銀行で審査をして、住宅ローンを借りることもできます。土地の手付を払ってから契約、支払いまではそんなに間がないため、ここからはフルスロットルで進んでいきます。
土地をつなぎ融資で買う場合には、住宅メーカーとの契約書や予定の(仮の)間取り図等が必要になります。ですから、土地が決まる前にパートナーとなる会社を決めておくと、ここらへんの手続きがスムーズになります。
STEP7 間取り打ち合わせ~着工
土地を購入したら、その土地に合う間取りを打ち合わせしてつめていきます。一番最初に描いた理想をいよいよ形にしていく時です。ここまでの間にノートはバージョンアップを繰り返してより具体的になっているはずです。設計士とともに夢を詰め込んだ家を設計してください。
間取りと設備の選択が終わると、いよいよ建物の着工です。地鎮祭や棟上げ等の神事については、やるやらない、関係者へお包みする相場など、担当者に相談してしまうのが一番手っ取り早いです。
STEP8 内装打ち合わせ~完成、引き渡し
細かい内装については、着工後に行われることも多いです。我が家は壁の色や電気工事のこまかい打ち合わせなどは、棟上げしたあと、実際に現地を見ながら行いました。土地を買ってからはとにかく毎週打ち合わせ、着工後は毎週現場の見学と、忙しかったです。
どんなに準備をしていてもわからないことや不安なことはたくさん出てきます。なので、せめて自分と家族の気持ちを一致させておくこと、コミュニケーションをきちんととっておくこと、そして信頼できるメーカーを見つけて細かく相談できる体制を整えておくことが、とても大切なのです。
工事が終わると、施主検査、家屋調査士による検査、自治体の評価額の検査を経て、引き渡しになります。